| (1) |
単純温泉(単純泉)
泉温25℃以上で、固形成分が水1kg中1,000mg未満の温泉である。
無色透明で無味無臭のものが多い。
刺激が少なく、石鹸も使える。
「中風の湯」「神経痛の湯」 などの名湯も多い。
|
| (2) |
二酸化炭素泉(単純炭酸泉)
温泉水1kg中遊離炭酸1,000mg以上を含む。
炭酸ガスが血液の循環をよくするので湯上がりは温かい。
日本では比較的少ない泉質である。
|
| (3) |
炭酸水素塩泉(重曹泉、重炭酸土類泉)
| @ |
ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)
重曹が主成分でアルカリ性。
皮膚の表面を柔らかくし、脂肪、分泌物を乳化して洗い流すので、浴後は肌が滑らかになる。
飲用で胃液、胆汁の分泌を促すことから「美人の湯」「肝臓の湯」とされている。 |
| A |
カルシウム・ナトリウム炭酸水素塩泉(重炭酸土類泉)
無色透明で抗炎症作用と鎮静作用があり、入浴すると汚れた皮膚が落ち、爽やかになる。
浴後清涼感があり、「美人の湯」と呼ばれる。
石鹸は効かない。 |
|
| (4) |
塩化物泉(食塩泉)
温泉水1kg中食塩1,500mg以上含むものを強食塩泉、500mg未満のものを弱食塩泉と区別する。
塩分が皮膚に付着して汗の蒸散を防ぐので保温効果があり、「熱の湯」と呼ばれる。
飲用には強食塩泉では希釈してから利用する。
わが国の食塩泉の多くは弱食塩泉で、「胃腸の湯」として慢性消火器病に有効である。
腎疾患やむくみのあるときは飲泉は控える。
|
| (5) |
硫酸塩泉
@ナトリウム・硫酸塩泉(亡硝泉)
Aカルシウム・硫酸塩泉(石膏泉)
Bマグネシウム・硫酸塩泉(正苦味泉)
Cアルミニウム・硫酸塩泉(明礬泉)
硫酸イオンを多く含み、亡硝泉、石膏泉は無色透明で「中風の湯」「傷の湯」と呼ばれるものが多い。
飲用は便秘によく効く。
また石膏泉はカルシウムの作用で鎮静作用がある。
正苦味泉は苦く、日本には少ないが、「脳卒中の湯」とも呼ばれている。
明礬泉は火山活動の多いところに湧くので、日本では多い温泉である。
皮膚や粘膜を引き締める作用がある。
慢性湿疹や真菌症に有効である。
|
| (6) |
含鉄泉
@鉄(U)炭酸水素塩泉(炭酸鉄泉)
A鉄(U)硫酸塩泉(緑礬泉)
鉄泉は泉水1kg中にフェロイオンまたはフェリイオン10mg以上を含み、炭酸鉄泉は保温効果があり、増血作用もあるので飲用は貧血によい。
湧出後時間が経つと酸化して茶褐色の沈殿物ができる。
緑礬泉は陰イオンとして硫酸イオンを含有し、結合して硫酸鉄を構成するもので酸性が強い。
慢性皮膚疾患に有効である。
飲泉後は、茶、コーヒー、紅茶などはタンニンと鉄が結びつき“お歯黒”状態 になるので注意が肝要である。
|
| (7) |
硫黄泉
単純硫黄型と硫化水素型に大別されるが、日本には比較的多く見受けられる泉質である。
よく温まり、冠状動脈を拡張させるので「心臓の湯」といわれ、また 痰の切れがよくなることから「たんの湯」ともいわれる。
高血圧、動脈硬化、皮膚疾患、慢性婦人病、関節痛など適応疾患も多い。
ただ、刺激が強いので、皮膚、粘膜の弱い人では頻回の入浴は避けた方がよい。
|
| (8) |
酸性泉
多くは酸性緑礬泉、酸性明礬緑礬泉、酸性硫化水素泉として存在している。
遊離硫酸や遊離酸塩の形で含まれ強い酸性を示す。
酸性泉は欧州には少ないが、わが国では比較的多い。
肌にしみる程刺激が強く殺菌力も強いので、白癬(水虫)を含む慢性皮膚疾患に効果がある。
入浴後は真水で洗い流して湯ただれ(浴湯皮膚炎)を防ぐようにする。
|
| (9) |
放射能泉
温泉水1kg中にラドン30×10-10Ci(8,25マッへ単位)を含む温泉である。
ラドンは常温で気体となって空気中に離散するので、吸入、飲用あるいは浴用によって一旦体内に吸収されても、間もなく呼気と共に排出されるので放射能被曝を考慮 しなくてもよい。
浴用、飲用ともに痛風、動脈硬化症、高血圧症、胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病、神経痛、慢性関節リウマチと適応は広い。 |